息子の中耳炎にチューブ治療をした話
今ではめったに中耳炎にはならなくなりましたが、息子が小さいころは中耳炎にかなり悩まされました。
ちょっと風邪をひいては中耳炎、花がじゅるじゅるし出したら中耳炎、お熱が出たら中耳炎…と毎週のように耳鼻科にお世話になっていました。
中耳炎になれば本人もつらいのですが、仕事をしている親も大変です。
中耳炎はお熱が出るので、その度にお迎えの電話がかかってきて仕事を休む羽目になってしまいます。
あまりに中耳炎を繰り返し、度々、膿を出すための鼓膜切開をしていたので、ある日、耳鼻科の先生から鼓膜チューブ治療を勧められました。1歳半にならないくらいのことだったと思います。
鼓膜チューブ治療は鼓膜にすごーく小さいチューブを入れて、中耳炎になったときは膿がチューブの穴から自然に出てきて直りを早くし、また、日常から中耳炎になりにくくする治療法です。
色々と悩んだ末、息子は鼓膜チューブ治療をしたのですが、劇的に改善されたことにより、子どもも楽になったのはもちろんですが、何より親である私の負担も減って、すべてがハッピーになりました。
鼓膜チューブ治療
それでは、鼓膜チューブ治療についてもう少し詳しく説明したいと思います。
先ほども書いたのですが、鼓膜チューブは、鼓膜に穴をあけ、その穴に数ミリ程度の小さなホースを切ったようなチューブを入れます。
治療と言っても、手術のようなものなので麻酔が必要です。
息子がチューブを入れるにあたり、一番悩んだのがこの麻酔についてでした。
息子が通っていた(まだたまにお世話になってますが)耳鼻科でチューブ治療をする場合、大きな病院に紹介状を書いてもらって手術を受ける形で、全身麻酔か部分麻酔かによって、紹介する病院が変わるから、どちらかを選んでくださいと言われました。
その話を聞いた瞬間から、私の中では「部分麻酔」にしようと考えましたが、一応それぞれについて先生の意見を聞いたところ、
部分麻酔・・・・子どもが怖がって暴れると危険、みんなで押さえつけての手術なので恐怖心があり怯えてしまう。半日もあれば全て終わるのですぐに帰れる。
全身麻酔・・・・麻酔のリスクは部分麻酔より高い。眠っている間に終わるので恐怖心もなく子どもにとっては楽。1泊2日の入院が必要。
というようなことを言われました。
すぐに返事をしなくてはいけないわけではなかったので、その日は保留にして病院を出たところで、たまたま、通っているこども園で同じクラスのお母さんにバッタリと出会いました。その子もちょうどその耳鼻科に行くところだそうです。
お友だちのお母さんの助言
「実は鼓膜にチューブを入れるのをすすめられちゃって~」とお友だちのお母さんに話すと、
「うちの子はもうとっくに入れたよ」
「え?そうなのぉ?」
ということで、目の前でチューブの先輩ママを見つけることができました。
大学病院で部分麻酔で入れたこと、処置もすぐに終わってそれほど大変ではなかったこと、その後、中耳炎になりにくくなったことなど、色々と教えてくれました。
何より、親が楽になり、仕事も休まなくてよくなったし、病院に行く回数も減るし、絶対オススメだと話してくれました。
また、全身麻酔はやはりちょっとのことでも怖いし、取り返しがつかなくなることもあるらかやめた方がいいとのこと、部分麻酔でも全然大丈夫だったことなども教えてくれました。
実はこのお友だちのお母さんは薬剤師さんのお仕事をしていますでの、医療関係にもそれなりに詳しいはずです。
ちょうどよい時にこのお母さんと出会えてホントに良かったと思いました。
大学病院でチューブを入れる日
いよいよチューブを入れる当日です。当日までは、行きつけの耳鼻科さんで紹介状をもらう程度で、何もすることはありません。ただし、鼓膜の状態が悪い時にはチューブを入れることができないそうです。
順番を待っての診察後、しばらくたって、いよいよチューブを入れてもらうことになりました。
麻酔薬は診察の時に耳に入れてもらっています。
診察までは一緒にいられたのですが、いよいよという段階になって、お母さんは待合でお待ちくださいと外に出さされました。
息子はベッドに横になり、4~5人くらいの先生や看護師さんがやってきて、全員で手足頭を押さえてつけられて、1歳6か月ほどの息子はまったく身動きできない状態にされている姿を最後に私は処置室を出ました。息子は泣き叫んでいて、かわいそうではありましたが、どうすることもできません。
待合まで息子の断末魔の叫びは響き渡っていて、あまりの悲壮な叫びに、逆に笑ってしまうほどでした。
10分ほど待ってまた処置室に呼ばれ、全部が無事終了したこと、今後のことの説明を受けました。
今後のことと言っても、当日の入浴は控えることくらいです。明日からは普通にしていいとこのことでした。
泣き叫びすぎてぐったりしているかわいそうな息子は、5分ほど抱っこしていると、疲れていたのかすぐに眠ってしまいました。
お会計を済ませた後、ちょうどお昼時でおなかが空いていたこともあり、眠った子供を抱っこしたまま、大学病院の食堂で昼食を取り、駐車場へ向かおうとした頃に、息子が目を覚ましました。
そして、何事もなかったように元気いっぱいになり、チューブしたばかりだし、すこしは静かに過ごしてくれ~と思う私の心配をよそに、いつも通り、いやいや、それ以上の息子に戻りました。
チューブ治療その後
大学病院でチューブを入れた数日後だったと思いますが、再び行きつけの耳鼻科でチューブの具合を見てもらうために診察を受け、経過良好で何も問題はありませんでした。
チューブを入れてもらった後は、聞いていたとおり、中耳炎になることが劇的に減りました。中耳炎になっても症状が軽く、熱を出すことがなくなり、抗生剤を飲まされることもほとんどなくなりました。
中耳炎になるたびに1~2週間くらいずっと抗生剤を飲ませることに抵抗があった私としては、息子を薬漬けにしなくて済んだことがとてもうれしく思いました。
もちろん、中耳炎でこども園を休んだりすることはほとんどなくなり、私も仕事を休むことが激減し、チューブ治療によって、息子も私も中耳炎から解放され、ホントに楽になりました。
チューブ治療をした後に中耳炎になると、チューブから膿が出てくることがあり、耳垂れがあるかもしれないとのことでしたが、息子の場合、それはまったくありませんでした。
チューブが取れた!
その後も軽い中耳炎はあったので、何度か耳鼻科は通いましたが、1年ほどたったころ、チューブが取れましたよ と耳の中からピンセットで青い小さなものを取り出して見せてくれました。
チューブ治療をする際に、チューブは1年ほどで自然に取れると聞いていたし、それまでも耳の中の写真を見る際に何度も目にしていたので、驚きはしませんでしたが、実物を見ると、何となく感慨深い感じがしました。
結局、もう片方の耳からチューブが自然に取れたのは、それから数か月後だったように思います。
チューブが取れた後の経過も問題なく、チューブの穴は自然にふさがりましたし、中耳炎になる回数が増えたり、症状が重くなるようなことっもなく極めて順調でした。
チューブ治療その後のその後
チューブを入れたのが1歳半の頃で、小学2年生になったの今となってはずいぶん前の話になります。
今でもまれに中耳炎になりますが、1年に1度あるかないかです。
今思い返しても、あの時、チューブ治療をしなければどうなっていただろう・・・と思うほど、息子の場合、チューブ治療をしてから劇的に良くなりました。
中にはチューブ治療を勧めないお医者さんもおられるようなので、素人の私には良し悪しはわからないのですが、うちの息子の場合に限っては、チューブ治療をして本当に良かったと思っています。
もし、中耳炎で悩まれている方があれば、あくまで個人の見解の一つとして参考になれば嬉しく思います。