晩夏の怖い話(そんなに怖くないけど)その1
前回、息子が胎内にいたころの記憶の話を書きましたが、勢いで私の体験したちょっと不思議な体験の話を書こうと思います。
とはいえ、私には特別な霊感があるわけではなく、それっぽい空気のところに行くと急に思うように息ができなくなり、肩で大きく息をしないといけなくなったり、どこかが痛くなったりする程度です。
【不思議な話】
私が高校生の頃、駅から自転車で自宅に帰る途中に車と衝突してしまいました。
衝突の衝撃で自転車から飛ばされ、空中に浮いてから地面に落ちるまでは、周りの状況のすべてがスローモーションでした。
小さな川がある道だったのですが、自転車が川の中に落ちているのが見え、その後、ガードレールが目の前に見えました。
ガードレールにぶつかったらヤバイと考えたけどぶつからず、次はアスファルトがゆっくりと近づいてきて、落ちる、落ちる、落ちる・・・と。
気が付いたらたくさんの人に囲まれていていました。
私は、ぼ~っとしながらも「大丈夫です」と言ってふらふらと立ち上がったのですが、周りの人が「動かない方がいい」「救急車呼んだから」などと声をかけてくれまた。
そして、何気に髪をかき上げたら、手が血に染まって真っ赤になっていました。その血を見て、私はすっかり動揺してしまい、周りの人もその出血にビックリしていました。とはいえ頭から血が流れてくるわけではなく、出血を確認しようと再度頭を触りましたが、血は確認できませんでした。
救急車の音が聞こえたのは覚えていますが、救急車が来てから病院につくまでの記憶はあいまいです。
次に記憶がはっきりするのは、病院で検査を受けている時からです。ひととおり検査を受けた後、ベッドで横になっている私の血だらけの手を見て、見た目ではほとんど外傷のない私に看護師さんがどこを怪我したのか聞いてきました。
私はどこを怪我しているのかわからなかったので、髪をかき上げたら手が血だらけになったことを告げました。
看護師さんが頭を含め色々と調べてくださいましたが、どこからも手を血だらけにする怪我は見つかりませんでした。
私の手は血のバケツに手のひらを入れたかのように真っ赤に染まっていて、看護師さんも不思議がりながら水を張った洗面器を持ってきて私の手を拭いてくれていましたが、「生理中じゃないよね?」とも聞かれ、「生理中じゃないけど、生理の血は手につかないですよね・・・」というような会話をしたことも覚えています。
その後、母が病院に病院に迎えに来てくれ、とりあえず様子を見るということで家に帰されました。
帰宅後、制服を着替えようとスカートを脱ぐと、スカートの裾はこすれたように白く汚れたいました。
その白くなった汚れたをよく見ると、人の顔そのものの形になっていたのです。
私は思わず、「きゃー」と叫んでスカートを手放しました。その声に驚いて母もやってきて、母と一緒にスカートを見直しましたが、その傷はやはり人の顔にしか見えませんでした。
後からよく考えたら、私の手についていた血は、事故現場で髪をかき上げた時から乾いていました。血でべとべとではなく、もうすっかり乾いた血だったので、その手で他のところを触っても、その部分に血が付くことはなかったです。
そして、血が付いていたのは手のひらだけで、手の甲部分はまったく血が付いておらず、制服の白いブラウス(夏服)にも一滴も血の跡はありませんでした。
私は車と衝突したにもかかわらずほとんど無傷(翌日はさすがに筋肉痛だったけど)だったのは、何かが私と車の間に入って代わりに血を流してくれたからなのではないかと、当時、母が言っていました。スカートに浮かんだ顔の人が助けてくれたのかもしれないから感謝しなさいとも言っていました。
今思い返してもあの出来事の真相はわかりませんが、何かが私をも持ってくれたのだろうと思っています。
ところで、事故の瞬間に経験したスローモーションでコマ送りのように周りの様子が見えるという状況は「タキサイキア現象」と呼ばれるそうです。
危険を回避するために視覚の精度をあげてくれているとかいないとか。スローモーションのおかげで体をねじって危険を回避できたという話もあるようです。
脳ってすごい!!でも、スローモーション体験をするような危険と出会わない日々を送りたいものです。
この他、不思議な体験をいくつかしていますが、機会があればまたアップしてみますね。